阪和興業株式会社
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HOME年輪業務報告/阪和ニュースなど 2009年No.271 > 業務報告
年輪 阪和社内報の紹介
業務報告 阪和ニュースなど

中国加工鰻の末端展開が本格化
「宇奈とと」の鰻を阪和が一手に

1997年下期、阪和興業は鰻事業に本格参入しました。それから10年、食品開発課はうな丼専門店「宇奈とと」で使用する鰻をすべて納品しています。
中国加工鰻の現状と阪和興業の末端展開についてご紹介します。

常に5〜10%の輸入シェアを確保

大阪 食品第一部
柴田 雄介
 阪和興業の鰻事業への参入は、中国での鰻養殖が飛躍的成功を収めた1997年下期から本格的に始まりました。大小合わせて50社以上の輸入者が存在する中、常に5〜10%の輸入シェアを確保しつつ、輸入品の扱いに特化した地位を築いています。
  ただ主要産地となる中国では2002年ホウレン草問題に端を発し、中国食品全体が社会問題となり、鰻も中国食品の代表商材としてマスコミで大きく取り上げられました。2003年にはエンロフロキサシン、2005年にはマラカイトグリーンという合成抗菌剤の検出問題により、中国政府が輸出停止に踏みきるほどの非常事態を幾度となく経験し、商売とは別次元での安全確保との闘いでした。抗生物質・合成抗菌剤・農薬・重金属の検出機器は、1台数千万円にもなり、それを複数台設置し、操作技術を有した人員も必要となります。各工場にそのシステム導入の必要性を説き、検査ラボ確立までの道のりは非常に険しいものでした。

安全確保に取り組む中国企業

中国鰻生産ライン
 平成19年度厚生労働省監視統計によると、日本が輸入する食品の違反事例として、全体の平均が0.60%であるのに対し、輸入件数が圧倒的首位である中国の違反率は意外にも0.42%と全体平均を押し下げています。中国の半分弱の輸入件数で第2位のアメリカでさえ、中国を上回る0.60%。地域別では、アジア0.54%、欧州0.53%、北米0.60%、南米2.35%、アフリカ1.76%と、いかにマスコミ報道で中国の違反だけが取り沙汰されているかがわかります。例えば、ベルギーからの輸入洋菓子の違反率は2.66%、チョコレートの原料用としてアフリカ・中南米から輸入されるカカオ豆の違反率は8.06%にも及びます。
  健康被害の精査なく、一方向に流れるマスコミ報道のたびに、消費者の不安心理は煽られていますが、餃子問題のような刑事事件が中国の食品加工メーカー全体のイメージを押し下げ、また、中国粉ミルク問題のように一部の悪質な業者が中国に存在するのも事実です。幸か不幸か、食への関心が高まる中、「食の安全確保こそが商売に繋がる」との理解は加速度的に浸透してきています。真面目に安全確保に取り組む中国企業の苦労が無駄にならないよう、国内消費者の信頼を回復するための地道な作業は続きます。
 

徹底した検査を経て日本へ

 
鰻加工場併設の検査室
 現状、中国の鰻加工場は日本での違反事例が出れば、中国政府から営業停止等の措置があり、厳しいプレッシャーの中にあります。彼ら自身が自社の検査精度を高め、自衛手段を執らなければ経営破綻の危機に直面するわけです。そこで加工場は、養殖場から抜き取った加工予定原料の事前検査、原料の工場搬入時の検査、加工終了後の製品検査と、同ロットに対して自社で最低3回の薬物残留検査を行った上、中国政府の行政検査も加わり、中国側で最低4回の検査が行われるのです。日本での輸入時は水際で命令検査が実施され、合計5回の検査に合格しない限り日本の消費者の口には入りません。
また、輸入時検査の基準値は無毒性量の100分の1(ADI)以下の厳しさで設定されており、今までの輸入鰻の違反事例で健康被害を及ぼす数値の違反はありません。
 例えば、マラカイトグリーンは、その検査精度が確立し禁止薬品となる以前、日本の養殖環境においても当たり前に使用されていた抗菌剤です。鰻から検出された数値が健康被害を引き起こすレベルならば、国産鰻のみを好んで食べ続けてきた人は、既に健康被害が出ているはずなのです。国産鰻については、薬品検査すら義務化されていないのが実状です。
 

「宇奈とと」への出資

 
中国鰻生産ライン
 
  宇奈とと店舗
  マスコミ報道に翻弄されながらも、安全でおいしいものを安く消費者に届けるという基本にたちかえり、それを具現化していくのが我々の使命だと感じるからこそ、末端販売に能動的に関わっていく新機軸が必要となってきました。阪和興業食品開発課として、2007年6月、うな丼専門店「宇奈とと」を展開するG-FACTORY 鰍ノ投資を行い、新機軸として末端業務筋への参入を開始しました。宇奈ととは東京に直営7店舗・FC1店舗、大阪に直営4店舗を有し、出店立地を吟味しながらも新規店舗数拡大を進めている途上にあります。宇奈ととの強みは、各店舗において備長炭で焼きを加えた鰻蒲焼きを「うな丼レギュラー」として500円で提供できる点です。我々は店舗での最終加熱の直前までの加工を中国で行い、宇奈ととが使用する全ての鰻を阪和興業が納品しています。
 鰻は養殖されるものの、その稚魚は人工孵化が確立されておらず、非常に相場変動の激しい商材です。その環境下、うな丼専門店の拡大のためには、いかに中間流通経費を省き、数量と価格の安定化を目指せるかが重要になってきます。そこで安定した数量を確保できる阪和興業と組むことで出店計画を積極的に進められる大きなメリットがありました。
 阪和興業にとっては、末端売価が決まっており、スーパーなどに比べマスコミ報道の影響を受けにくい外食だからこそ、先々の計画を立てやすいメリットがありました。鰻蒲焼きは冷凍保存で2年の品質保持が可能であるため、原料品質の良い時期・相場的に安い時期を狙い、また宇奈とと向け以外の商品と合わせてスケールメリットを活かした買付が可能となります。宇奈とと店舗数の拡大に伴って阪和興業の販売数量も増え、喜びを共有できるパートナーになり得るのです。現実的な目標として50店舗までの拡大は我々の既存の仕入れ力で十分対応可能です。店舗の拡大ペースを見守りながら、仕入れ力の拡充を図り、最終目標である100店舗に規模が広がるまで我々の夢は続きます。
 中国産鰻の薬物検出報道が多かった時期には途絶えていたテレビや雑誌の店舗取材も再開し始め、控えていた法人FC加盟の募集も再開しました。
  テレビや雑誌、あるいは街角でオレンジ色の「宇奈とと」看板を目にする機会も確実に増えると思います。その時は、阪和興業が自信を持って届けている鰻が使われていることを思い出していただければと思います。東京本社では八丁堀店が、大阪本社では梅田店が阪和興業への出前に対応いたします。昼食や残業時にぜひご利用の上、その味を確かめてみてください。
 
 
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