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PROJECT
INTERVIEW
01
業界に縛られない、 だから日本の危機を救えた。

清水 通浩Michihiro Shimizu

化学品第一課
2014年入社

前職は化学品専門商社に勤務。阪和興業入社後、潤滑油課配属となり、自ら商材を見出し、尿素ビジネスをスタート。2021年の世界的な尿素不足危機の際、国内へ安定供給のため代替調達を行い、市場の危機的状況を回避するプロジェクトを推進。ビジネスの柱になるまで成長させた。

SECTION01

常識やしがらみなんて、
阪和興業には関係ない。

既存事業よりも、自分でゼロから立ち上げる方がおもしろい。ビジネスの可能性があればなんでもチャレンジできる、と言ってくれた阪和興業に興味をそそられ入社を決意。そこから担当業務と並行しながら、化学品の市場調査で見つけたのが尿素。用途の9割が肥料のため、世界の人口が増えるほど需要も増える。大手商社が手をつけないニッチな商材だが、マーケットの大きい商品だと感じた。化学品素材業界は関係性が固定化されており、大手であっても参入が難しい。だが、独立系商社である阪和興業は他社への忖度やしがらみがなく、業界の常識に縛られることはない。参入障壁を逆手にとり、需要のシェアを握ることができる可能性を感じ、尿素ビジネスチームが立ち上がることになった。そんな勢いのままゼロから始まったチーム。2021年末、一つの大きな問題が発生した。世界的な尿素の供給危機だった。

SECTION02

世界の危機を救ったのは、
積み上げてきた信頼関係。

尿素輸入量の半分近くを中国に頼っていた中、突然中国で輸出規制が起こった。尿素はパンの酵母菌、化粧品原料、肥料、焼却場で発生する窒素酸化物の除去など、幅広い領域で必要とされているが、特に日本で輸出規制の著しい影響を受けたのが自動車業界。尿素から生成されるアドブルーという化学品が、トラックの排ガスに含まれる有害物質の除去に必須だからだ。日本の流通を支える多くの会社が大打撃を受け、物流そのものが止まってしまう。その負の連鎖は日本だけでなく韓国、オーストラリアや台湾でも。普段、化学品の中では安価な尿素だが、供給がひっ迫し5倍、10倍の値段に高騰した。顧客のために、私たちはすぐに動き出した。他の大手や中堅商社の先陣を切り、東南アジア、中東、ヨーロッパと契約を取り付けた。従来のように中国だけに頼らず、あえて各国とのパイプを構築してきたからこその結果だった。主体的に国内外のリレーションシップを築くことで、国内の尿素不足の混乱を救うことができた。このプロジェクトは阪和興業だからこそ成し得たと感じている。

SECTION03

なにかを成し遂げたい、は
個からチームの夢に。

尿素ビジネスをはじめた当初は黒字化ギリギリ、3年間は自分1人だけ。それでも商社パーソンとして自分がなにかを成し遂げたいと走り続けていた。そんな自分と、この商売を会社が信じてくれ、エネルギッシュで優秀な新卒入社メンバーが加わった。インドネシア、ウズベキスタン、アメリカなど、海外にルーツのある個性豊かなメンバーたち。英語がほとんど喋れない私に代わり、彼ら彼女らが現地との商売や交渉を進めるという体制。このチーム、この事業は後輩たちに支えてもらっている。今では後輩たちがいい仕事を成し遂げられるチームにしたいという気持ちが強い。尿素危機を乗り越えた今、日本ではもう誰にも負けない自負がある。次の目標は2030年に向け、海外の化学品トレーダーとして東南アジアでNo.1に。そして、世界に誇れるチームに。そんな夢に向けて、今日もひたむきに化学品と向き合っている。

PROJECT INTERVIEW

あの人たちのヒートアップ