阪和興業株式会社

リサイクルメタル・プライマリーメタル事業

Metal Recycling and Primary Metal Division

リサイクルメタル事業においては、国内需要の大きいアルミニウム、銅、亜鉛、鉛、ステンレス屑原料など非鉄・特殊金属リサイクル事業にいち早く参入し確固たるポジションを築き、今では全世界規模でのオーガナイザー機能を誇っています。特にアルミ缶事業では、回収機能・在庫機能・供給能力に加え、加工能力を最大限に発揮し、アルミ圧延メーカーの需要にも対応。新規設備導入や拠点拡充も積極的に進めています。また、プライマリーメタル事業においては、ニッケル地金、クロム系、シリコン系、マンガン系合金鉄など貴重な資源について、ロシア、南アフリカ、カザフスタン、インド、マレーシア、インドネシア、メキシコなどの資源国、そしてどこよりも需要と同様に圧倒的な供給力も有する中国の巨大生産者との直接取引をベースに、出資や商社金融機能も併せて「特徴ある資源ソース」の拡充を進めています。

リサイクルメタル事業 第一部門(銅・アルミスクラップ)

リサイクルメタル第一部門ではアルミ・銅のリサイクルメタルとアルミ・銅の製品を対象にビジネスを展開しております。
特にアルミ・銅のリサイクル事業には1950年代から参入している歴史ある事業であり、これまでに国内外を問わず各非鉄関連ユーザーに代替原料・高品位原料としてスクラップを提案、供給すると共に、リサイクルの促進による地球環境の保全も最大テーマの一つに掲げて注力してきました。これまでの経験や知識から培われた営業展開力を背景に、世界各地で現地化を推進し、「最適地仕入・最適地販売」を実行しております。
更にトレーディングの域に留まらず、自社で加工設備を保有し、アルミ缶・アルミサッシ等のリサイクル事業を行い需要家の要望に応える体制も整えております。アルミ・銅を中心とした非鉄製品では、従来からの日本国内生産メーカーの非鉄製品の中国・香港・台湾向けを軸としつつも、東南アジア、インド、中近東にも販売エリアを広げ新規商材の販売にも積極的に取り組んでいます。

主要取扱い品目
銅、アルミニウムのスクラップ

Highlight 1  PT. HANWA ROYAL METALS

インドネシアにおいては現地財閥であるインドプリマグループと非鉄リサイクル事業の協業を図り、PT. HANWA ROYAL METALS を2013年に設立。リサイクル環境が発展途上のインドネシアにおいて、日系企業として唯一自社拠点を構え日本国内と同様の原料供給及びサービスを展開しています。

Highlight 2  正起金属加工 株式会社

2014年10月アルミ缶リサイクル加工(関東工場)と高炉メーカー向け製鋼用アルミ脱酸材の生産・販売(名古屋・大分工場)を主力事業とする正起金属加工(株)を子会社化。商社機能とメーカー機能を融合する事で顧客満足度の向上を進めています。

リサイクルメタル事業 第二部門(亜鉛、鉛、錫、ステンレス鋼スクラップ)

リサイクルメタル第二部門では自動車などに使用されるバッテリーの主原料である鉛、電子部品に欠かせない半田の原料となる錫など白物地金を扱っています。また、各種非鉄生産者から発生する副産物及び二次原料をバーゼル条約を始めとした適切な手続きで国内外メーカーと取引をしています。
一方でステンレス鋼、特殊鋼、チタン、耐熱合金などのリサイクルにも取り組んでいます。生活の中で身近にあるステンレス鋼や航空宇宙分野で使用されるチタン合金や耐熱合金まで、Ni、Cr、Mo、Co、W、Tiなどの元素を含んだスクラップのリサイクルに注力しており、トレーディングだけではなく阪和グループ傘下の子会社と共に独自の集荷、選別、加工を展開することで付加価値を付け、各種メーカーへ貴重なリサイクル原料として販売しています。

主要取扱い品目
亜鉛、鉛、錫地金及びスクラップ、ステンレス鋼及び高機能原料スクラップ

Highlight 1  昭和メタル 株式会社

2010年4月、レアメタルのリサイクル業界において日本最大手である昭和メタルと阪和興業の特 殊金属事業を統合しました。川崎市に保有するヤードではステンレス・特殊鋼向けニッケル系ス クラップを回収・選別しており、他方、直江津事業所ではユーザーの厳しい基準に沿ったチタン 屑のリサイクル・システムを構築し、それぞれ付加価値の高い高品質原材料を供給しています。

Highlight 2  阪和メタルズ 株式会社

2011年より子会社を設立し、大阪・南港地区にステンレス鋼屑の集荷拠点を設けました。港に隣 接しているヤードが大型船への機動的な船積みも可能にし、国内外のステンレス・特殊鋼メー カーへ安定的に供給しています。

Highlight 3  日興金属 株式会社

2015年10月、阪和興業グループに加わった特殊金属・非鉄金属スクラップ原料のリサイクル事業会社です。低品位原料の高品位化にかけては国内有数の知識と経験を持ち、定評ある選別と品質管理によって適切なリサイクル・システムをお客様に提供しています。

プライマリーメタル事業 第一部門(エレクトロニクス・化学原料系)

第一部門では、都市鉱山からの貴金属系リサイクル原料(地金も含む)、或いはニッケル、コバルト、そしてリチウム、更には金属シリコンなどの地金や化学原料を幅広く取り扱っています。拡大を続ける電気自動車≒車載二次電池産業向けではニッケルやコバルト或いはシリコンなどのケミカルを、そして更に多様な原料を要求される触媒や磁石など化学分野では貴金属やヴァナジウム或いはレア・アースなどを取り扱っています。
又、ユーザーも日本国内に留まらず海外での取引量が拡大を続けており、輸出入・三国間での展開、LMEやLBMAを駆使した先物ヘッジ取引機能、そして需要のある現地での在庫機能を活かし、世界各地で原料の買い付けと安定供給を同時並行で担っています。

主要取扱い品目
ニッケル、コバルト、リチウム、パラジウム、プラチナ、ロジウム(又はそれら貴金属を含む都市鉱山リサイクル原料)、ヴァナジウム、シリコン、レア・アース、マグネシウム等の地金・化学原料(苛性ソーダなどの基礎化学原料含む)

Highlight 1  MM METAL RECYCLING B.V.

2016年6月、オランダ国北ブラバント州ムールダイクに三菱マテリアル株式会社との共同出資で 設立しました。金銀滓(E-Scrap)の世界最大の発生元である欧州域内からの受け入れ・検品・サンプルの採取等を行う金銀滓センターとしての役割を担っています。

Highlight 2  WATERBERG JV

Waterberg Projectは、南アフリカ共和国においてJOGMEC(独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱 物資源機構)が、カナダの鉱山会社であるプラチナムグループ・メタルズ社との共同探査で白金族 金属鉱床を2011年に発見し、その後の探査結果に基づき事業化計画を進めておりました。2017年に同国の白金族金属生産量第二位のインパラ・プラチナム社を開発パートナーとして迎え入れたことで、JOGMECの権益が日本企業に引き継がれることになり、2018年3月阪和興業が権利を落札。パラジウムやプラチナなどの白金族金属の生産開始と共に阪和興業が販売を担っていくことになります。

Highlight 3  BACANORA LITHIUM

電動化、自動運転という「100年に一度の大革命」が自動車産業に起こっています。その主役の 一つとして「二次電池」、特に「リチウムイオン電池」への期待が高まっている中、阪和興業は1990年代から二次電池製造に必要不可欠な原料を取り扱ってきており、これまでのニッケルやコバルトに加え、「リチウム」に本格的に参入すべく、本プロジェクトに投資を行っています。

プライマリーメタル事業 第二部門(鉄鋼原料系)

第二部門では、鉄鋼産業を軸としたお客様との間での原料取引拡大に主眼を置いています。ニッケル、クロム或いはマンガンなど一部の地域に偏在する金属資源を、日本並びに世界の需要家へ安定供給することで社会・経済基盤の持続的発展に貢献しています。インドネシア、南アフリカ、カザフスタン、インド、豪州、マレーシアなど各国の資源メジャーと呼ばれる企業群とも直接取引を行い、鉄鋼、ステンレス鋼、特殊鋼、そして鋳物などの業界に向けてユニーク且つ安定的な供給を展開し、又、日本各地だけでなくハブとなる海外拠点も設けてお客様のニーズに即時対応できる体制を構築しています。

主要取扱い品目
ニッケル銑鉄、ステンレス半製品、クロム鉱石、マンガン鉱石、鉄鉱石、石炭、フェロクロム、フェロシリコン、シリコマンガン、金属マンガン、フェロヴァナジウム、フェロニオブ、フェロチタン、ニッケル、コバルト、マンガン化学原料、硫酸など

Highlight 4  SAMANCOR

南アフリカのクロム事業大手であるサマンコール社には、当初の直接出資並びにJOGMEC(独立 行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)との共同出資会社である日本南ア・クロム株式会社を通じての出資もしていることで、単独では最大株主となっております。これにより、年間最大40万トンのフェロクロムを日本向けに供給する権利を獲得しております。サマンコール社は鉱石 採掘から精錬まで一貫したバリューチェーンを確立している世界トップクラスの巨大なフェロクロム生産者です。クロム資源の安定確保・供給で最終需要家を支え、今後は中国、東南アジア、北米、欧州向けにも展開を図って参ります。

Highlight 5  OM HOLDINGS

豪州証券市場上場で南アフリカ及びオーストラリアにマンガン鉱山を所有するOMホールディング社(以下OMH社)に出資をしています。OMH社は、子会社を通じてマレーシア・サラワク州に合金 鉄プラントを建設。水力発電所から供給されるクリーン且つ豊富、そして安価な電力でフェロシリコンやマンガン系合金鉄を生産しています。当社は戦略的パートナーとして、日本並びに海外の需要家向けに安定した合金鉄の供給体制を構築していきます。

Highlight 6  PT. Indonesia Guang Ching Nickel & Stainless Industry/PT. Indonesia Tsingshan Stainless Steel

長年、様々な取引実績を積み重ねた結果、世界最大のステンレス生産量を誇る中国・青山鋼鐵集団によるインドネシア・ニッケル銑鉄プロジェクトに2014年より参画しています。現在ではステンレス鋼の半製品まで製造する能力を有しステンレス・特殊鋼業界のお客様への供給体制を更に拡充して参ります。

Highlight 7  QMB NEW ENERGY MATERIALS CO., LTD.

世界の電気自動車産業の勃興を受け、青山鋼鐵集団のステンレス鋼向け原料事業参画で進出していたインドネシアで既に有するインフラと豊富なニッケル源を活用する形でニッケルとコバルト化学原料の製造プロジェクトに2018年より参画しています。電動自動車向けの二次電池製造世界最大手である中国CATL社、そして中国最大のリサイクル規模を誇り、同時に電池材料製造メーカーであるGEM社も同プロジェクトに参加。電気自動車産業の世界規模での拡大と共に成長していきます。