阪和興業株式会社

代表者メッセージ

代表取締役社長
中川 洋一

2030年への更なる成長を期して2023年度にスタートした「中期経営計画2025」は、“Run up to HANWA 2030 ~いまを超える未知への飛翔~” というスローガンの下、全社一丸となった取り組みが進んでいます。
事業環境は、ウクライナや中東を中心とする国家間の紛争には終息の兆しが見えず、“流通のプロ”である商社としての根幹を担うサプライチェーンの分断リスクや商品価格や資源価格の変動リスクを突き付けられ、為替や金利も不安定な状態が続いています。今後も、米中対立の長期化、それに伴う経済制裁の動きなど様々なリスクの顕在化が予想されます。
一方で脱炭素社会の実現や環境対応型エネルギーへの転換が強く求められる中、当社が手掛けるバイオマスエネルギー事業やリサイクルメタル事業に寄せられる期待は大きく、更なる強化を進めています。電気自動車(EV)向け二次電池分野で、川上から川下、リサイクルまでをグローバルに展開する「電動化グローバルグループ」は、足元で各国のEVシフトがやや停滞しているものの、この分野で後れを取った日本にとっては挽回するチャンスと捉え、電池事業を当社ビジネスの大きな柱の一つへと成長させるための取り組みを強力に進めています。

当社は徹底したユーザー第一主義、現場主義のもと、取引先のニーズを捉えた「ユーザー系商社」としての存在感を強固にしてきました。また、「そこか(即納・小口・加工)」戦略に代表される利便性の高い営業を推進し、その戦略推進のために加工や小口物流を得意とする優良企業の子会社化や業務提携を進める「M&A+A(アライアンス)」を実践してきました。
さらに、「東南アジアに第二の阪和を」をスローガンに鉄鋼の地産地消化が進むASEANへの「そこか」戦略の展開など、時代の変化に対し、先手先手で布石を打ってきました。
今後はリスクの増大化・複雑化に対応し、リスクマネジメント態勢の更なる高度化など、「攻め」のための「守り」の強化にも注力し、リスク種別に応じた個別管理と包括的なリスクマネジメントとを両立・最適化していきます。“身の丈にあったリスク”を取り、管理していくことで、適切な投融資・事業拡大による持続的成長を促進、支援する基盤作りを進めています。

これら様々な取り組みや施策による基盤強化を実践していくことで、2030年に目指す姿として「鉄鋼商社からサプライチェーン創造型商社への変革」を掲げています。サプライチェーンを創造し、すべての「ほしい」をつなげることで、持続可能な社会の実現に資する商社を目指していきます。
次のステージに向けた戦略を確実に遂行し、目指す姿を実現していきますので、これからの阪和興業にご期待いただき、ご支援をよろしくお願いいたします。